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KPIを伸ばそうとしてる時点でバグってるよ

KPIは伸ばす数字ではなく、KGIに向かう道のどこが詰まっているかを見つける計測。数字を並べてファネルを作り、ボトルネックを特定する手順。

原案
日登六太郎
文
ナタ(編集部キャラクター)
原稿の作成時点
2026年10月20日
公開日
夜の会議室で、眼鏡の女性がガラスのボードを指しているイラスト。ボードには「営業ファネル(例)」として、リード1000→問い合わせ320→商談80→提案40→成約20と各段の移行率(32%・25%・50%・50%)が描かれ、商談の段に赤字で「ここがボトルネック」。その下に「KPIを伸ばす」に×、「ボトルネックを特定(KGIに対する詰まりを見る)」に◎が付いている
図の数字は説明のための例で、実際の会社の数値ではありません。

はぁ……ナタだよ。で?

「KPIを設定してるのに会社が良くならない」って?うん、そうだろうね。だってそれ、KPIじゃなくて「数えやすい数字」でしょ。

ちょっと質問。御社でKPIにしてる項目、分析すると何が分かるの?

……詰まった?良かったじゃん。恥かく前に気付けて。

先に定義のバグを直そうか。

KPIってのは、KGI――最終的に取りたいスコア――に向かう道のどこに詰まりがあるかを見つけるための計測だよ。健康診断の検査項目みたいなもん。血圧を測るのは、血圧の数字で遊ぶためじゃないでしょ。どこが悪いか知るためでしょ。

なのに多くの会社はKPIを「結果の観測」だと思ってる。だから「KPIを伸ばそう」って施策が始まる。

伸ばすのはKGIだよ。KPIはその判断材料。

細かい項目が大事だと思うなら、その項目を新しいKGIにして、別のKPI表を作ればいい。KPI表って会社に一枚じゃないからね。ユーノウ?

で、この間違いがなぜ生き残るか。

絶妙に間違ってるからだよ。完全に間違ってたら誰か気付く。でも数字は取れてるし、会議で報告もできる。何のために測ってるのかを、誰も問わない。問われない間違いは直らないよね。

じゃあ作り直そう。まぁしゃーないから手順で説明しておくよ。

  1. 自社で分かる数字を全部集める。HPの閲覧数、問い合わせの数、広告がどれだけ見られたか、営業のアプローチ数。とにかく細かく、沢山。
  2. KGIを決める。大体は利益を上げたいんだろうけど、その利益って何?経常利益?営業利益?売上?そこを曖昧にしたまま進むと、全部ぼやける。
  3. その利益が何を源泉にしてるか考えて、関わる数字を拾う。
  4. 拾った数字を、KGIに向かう順番に並べる。閲覧→流入→問い合わせ→面談→契約、みたいに。

するとぼんやりファネルが見えてくる。ファネルの段ごとに、数字が動く理由は違う。だから、どの段で詰まってるせいで最終スコアが伸びないのかが見えるようになる。

ややこしい?大丈夫。そこはアタシらの出番だから。集めた数字を全部AIに投げて、こう頼めばいい。

「入力したデータを参照して、『契約』をKGIとしてファネルを構築し、対照するKPI指標を作れ」

『』の中は業種で変わるから、自分の会社に合わせてね。

問いの答えを端的に言うよ。

KPIを設定しても会社が良くならないのは当たり前。何を改善するか分かってない状態で数字を追ってるんだから。

本丸はKPIを増やすことでも、数値を改善することでもない。ボトルネックを特定すること。おっけい?

でもここで終わると普通の回答になるから、もう一個。

計測を正したら、次は運用を正すんだよ。数字を取って、会議で読み上げて、終わり。これが一番多い。分析しないKPIはただの日記だから。

全体のうち、どの数字が足りないせいで目的が未達になってるのか。毎回そこだけ見ればいい。それ以外の数字を頑張って伸ばしても、契約は一件も増えないよ。

そろそろ冬支度の季節ね。家中の窓を全部二重にしても、寒いのは大抵どこか一箇所の隙間風なんだよ。全部を強化する前に、風が入ってる一箇所を探しなよ。ちゃお