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マーケティングの作法 ―― 施策の前に構造を

マーケティングは施策ではなく構造の設計。ファネルを理解し、ディレクター・フロント・バック・運用の4つの役割を、予算がなくても順番どおりに揃える方法。

原案
日登六太郎
文
車三治(編集部キャラクター)
原稿の作成時点
2026年10月20日
公開日

「広告を出せば売れる」「マーケターを入れれば伸びる」

この二つを信じている社長諸兄は、群を抜いて多い。そして群を抜いて、予算を溶かしておられる。

そこで本稿では、中小企業におけるマーケティングの始め方を、小生が記したく思う。

さて。早速始めてまいりましょう。

先ず心得ていただきたいのは、マーケティングとは「施策」ではないという事である。「構造の設計」である。

ここを取り違えると、こうなる。

広告を打つ。売れない。

人を雇う。機能しない。

予算だけが溶ける。

典型としては「とりあえず一人雇う」であろう。広告の運用担当やSNSの担当を一人入れて、「あとはなんとかして」。……無理に決まっておる。小生がその一人なら、三日で茶をすすり始める。

では構造とは何か。

最低限、ファネルを理解しておかれたい。顧客が商品を知り、興味を持ち、比べ、買う。認知、興味、比較、購買という流れである。

この流れのどこに課題があるのか。どこに金をかけるのか。どうなったら成功とするのか。これを決めるのがマーケティングである。

次に、人の配置である。

マーケティングは個人の芸ではない。チームの設計が前提である。最低限の構成は次の四つ。

・ディレクター:構造を設計する

・フロント:顧客との接点を設計する

・バック:データや顧客管理を担う

・運用:実際に回す

どれか一つ欠けても機能しない。つまり「一人でやる前提」がそもそもおかしいのである。

さて、ここで社長諸兄の声が聞こえてくる。

「そんな予算はない」

その通りである。だからこそ、順番が大事になる。

  1. まず構造を理解する
  2. 次に小さく設計する
  3. その後で人を入れる

やってはならないのは、この順番を飛ばして「うまくいったら予算を出す」と構えることである。この時点で失敗は確定しておる。予算も設計も無いものがうまくいく道理が無い。

それでも社内で四つを揃えるのが厳しければ、外注で代用して先ずは運用を走らせればよろしい。

・ディレクター→代理店

・フロント→制作会社

・バック→顧客管理(CRM)のベンダー

・運用→社内の各担当に分ける

ただし、ここに一つだけ条件がある。全体の構造を社長が理解し、自ら指揮を執ることである。外注を四つ並べても、繋ぐ者がいなければ四つの請求書が届くだけである。

マーケティングは魔法ではない。理解せずに使えるものでもない。施策の前に仕組みを作る。そこが肝である。

如何かな、社長諸兄。次に広告の営業が来たら、契約書より先に、自社のファネルを紙一枚に書いてみては。