「事務の人」って、何の人?
「事務」は職種ではなく、役割が決まっていない仕事を放り込む箱の名前。兼務を機能ごとに仕分けて名前を付け、責任の境界線を引く方法。
はぁ、ナタだよ。
アンタの会社に「事務の人」っている?いるよね。で、その人、何の人?
……答えられないでしょ。それがバグだよ。
「事務」って職種の名前じゃないんだよ。営業でも経理でも総務でもない仕事を、全部放り込んでおく箱の名前。
請求もやる。電話も取る。採用の連絡もする。備品も買う。契約書も触る。SNSも更新する。
本人が悪いわけじゃないよ。会社が役割を定義してないだけ。
この話、「事務の人が忙しそう」って問題に見えるけど、実態は違う。「この会社では誰が何に責任を持ってるのか、誰も知らない」って問題だよ。
人が少ないうちはそれでも回る。でも人が増えた瞬間、情報が迷子になる。問い合わせが漂流する。責任が消える。そして全員が忙しくなる。「誰に聞けばいいか分からない会社」の完成。
原案者の日登が過去に関わった組織で組織図を書き直したら、こういうのが出てきたんだって。
社長が採用承認。社長が経理確認。社長が外注判断。管理職が実務を兼務。総務が雑用係。
出てくる出てくる。
じゃあこの仕組み、誰が得してると思う?
社長は得した気分。全部自分で見られるから。創業期はそれで正解だったしね。営業も経理も実務も、全部やるしかなかった。問題はその癖が残ってること。「一人で回せる組織」を、無意識に目指しちゃってる。
現場もある意味得してる。誰かが判断してくれるから。
で、損してるのは誰か。管理職と、何でもできる人だよ。
管理職は本来、設計と判断をする人。なのに現場では「作業+責任」の足し算になる。責任だけ増えて、楽にはならない。
それを見た現場はどう思う?「ああはなりたくない」。誰も上に上がりたがらない組織の完成。いわゆる鍋蓋組織ってやつね。
問いの答えを端的に言うよ。
兼務は頑張りじゃない。未分化のサインだよ。兼務を残したまま人を増やしても、組織は増えない。混乱が増えるだけ。
直し方はシンプル。まぁしゃーないから手順で説明しておくよ。
- 全員に「普段何してます?」を全部書き出してもらう。
- 出てきた仕事を、人じゃなくて機能でまとめる。労務っぽい仕事、総務っぽい仕事、採用っぽい仕事、経理補助っぽい仕事、営業事務っぽい仕事。
- 「っぽい」に名前を付ける。部門名を振る。
- 組織図に兼務を全部書く。そして兼務は「解消すべきミッション」だと定義する。そこに社長の名前があったら大問題。
ほら、部門はもう存在してたんだよ。名前がなかっただけ。名前がないから、責任も育たなかった。
ここで大事なのは、人を見るんじゃなくて機能を見ること。中小企業は人に仕事が紐づいてる。だからその人が辞めた瞬間、全部が誰にも分からない遺物になる。仕事に役割を紐づけ直すんだよ。ユーノウ?
これやると「これ誰の仕事ですか?」が噴き出す。揉める。当然。
でもその摩擦こそが組織化だよ。揉めない会社の方が危ない。曖昧さを放置してるだけだから。
でもここで終わると普通の回答になるから、アタシが本当に言いたいことを言う。
「誰でもやります」って美談にされがちだけど、あれ組織崩壊の入口だからね。何でもできる人に仕事が吸い込まれて、その人が報われないまま辞めていく。そのループが完成するだけ。
部署って偉そうにするためにあるんじゃない。責任の境界線を引くためにある。
それと、管理職が暇そうに見えるならそれは正常だよ。仕組みが動いてる証拠。忙しい管理職の方が、仕組みが壊れてるサイン。
社長の仕事は「やること」を増やすことじゃない。「やらないこと」を決めること。おっけい?
アンタの会社の組織図、社長の名前がいくつ書いてある?数えてみなよ。
もう衣替えも済んだ頃ね。クローゼットに「とりあえず」って突っ込んだ箱、開けたら何が入ってるか分からないでしょ。会社の「事務」も同じ。箱を開けて、仕分けて、ラベルを貼る。それだけで探し物は半分になるよ。ちゃお